メールフォームのセキュリティのリスクとは?対策方法を併せて解説!
「メールフォームのセキュリティ対策」について悩んでいませんか?
スパムメールやさまざまなタイプのサイバー攻撃があるため、どのようなセキュリティ対策をすればいいか悩みますよね。
ですが、簡単にセキュリティ対策をする方法を知ったり、メールフォーム導入の時点でセキュリティ対策が十分に施されているフォームを選んだりすることで、この悩みや問題は解決できます。
当ブログは、フォーム作成ツール20年の運用実績をもつ「ふぉーむまん」が運営し、読者のためになる情報を提供しています。
この記事では下記の項目について解説します。
- メールフォームセキュリティのリスクとその影響
- サイバー攻撃の種類
- メールフォームのセキュリティ対策とスパム対策のポイント
- メールフォームにセキュリティ対策・スパム対策を行う方法
これを読めば、メールフォームのセキュリティ対策として何をするべきか明確にわかるようになるでしょう。ぜひ最後までご覧ください。
メールフォームのセキュリティリスクとは?
メールフォームは非常に便利ではありますが、セキュリティ対策をしっかりと行わないと下記のようなリスクがあります。
- データベースへの不正アクセスによる情報漏洩・改ざん
- データの消失
ここでは、これらのリスクについて詳しく解説します。
また、こちらの記事ではおすすめのメールフォームツールを7つ紹介しています。
興味がある人はこちらも併せてお読みください。
データベースへの不正アクセスによる情報漏洩・改ざん
まずはデータベースに不正アクセスされるリスクがあります。
データベースに第三者が侵入すると、フォームから得られた回答や情報を見られてしまうかもしれません。情報の改ざんが行われる可能性もあります。
情報漏洩や改ざんが起こると、復旧のために時間がかかり業務が止まってしまうことも珍しいことではありません。また、復旧や損害など多額のコストがかかったり、クライアントからの信頼を失ったりといったことも考えられます。
データベースへの不正アクセスによる情報漏洩や改ざんは、さまざまな形で企業にダメージを与えることから軽視すべき問題ではありません。
データの消失
次にデータが消失する可能性があることです。データの消失は人的なミスやサーバー側の問題などさまざまなことが原因で発生する可能性があります。
定期的にバックアップを取ることを習慣づけてください。
クラウド型のフォームツールの場合、フォームのデータは自社のシステムではなく、サービスを提供しているデータセンターに保管されていることが一般的です。使用しているデータセンターを把握し、データセンターにて定期的にバックアップが行われているかを確認するようにしましょう。
メールフォームのセキュリティ対策不足の影響
前章ではメールフォームのセキュリティリスクの例について紹介しました。
情報漏洩や改ざん、そしてデータの消失などが起こると下記のような影響を及ぼすこともあるため十分に注意しましょう。
- 顧客からの信頼喪失
- 多額の対応コストがかかる
ここではそれぞれの影響について詳しく解説します。
この章を読めば、メールフォームセキュリティの重要性が分かるでしょう。
ぜひ読んでください。
顧客からの信頼喪失
サイバー攻撃などの影響によって、企業が所有する個人情報が漏洩したというニュースは後を絶ちません。個人情報が漏洩すると、預かった個人情報をしっかりと管理できない企業であるという烙印を押されてしまい、すでに取引があった企業や人だけでなく、潜在的な顧客にまで悪いイメージを植え付けて信頼を喪失することにつながります。
そして、一度失ってしまった信頼は簡単に取り戻すことができません。情報漏洩後にしっかりとセキュリティ対策を行ったとしても、インターネット上にいつまでも汚名が残ります。
このようなことから、メールフォームのセキュリティ対策は企業のイメージや信頼を維持または向上させるものに必要不可欠であることがわかるでしょう。
多額の対応コストがかかる
メールフォームのセキュリティ対策が不十分で、個人情報の漏洩や改ざん、またはデータの消失が発生すると、下記のようにさまざまなコストがかかり、その金額は莫大です。
- 被害状況に関する調査費用
- お問い合わせ対応や謝罪などの顧客対応にかかる費用
- 損害賠償請求にかかる費用
- システムやデータの復旧にかかる費用
- 新たにセキュリティ対策を導入するための費用
メールフォームセキュリティが全くされていない、または脆弱であった場合、上記のように想定外のコストがかかってしまい、最悪の場合経営にまで影響を及ぼす可能性があります。
メールフォームにはどんなサイバー攻撃があるか?
メールフォームに対するサイバー攻撃は下記のように多岐にわたります。
- クロスサイトスクリプティング
- SQLインジェクション
- メールヘッダインジェクション
- クロスサイトリクエストフォージェリ
それぞれのサイバー攻撃の内容や特徴について知っておくことで、自社がとるべきセキュリティ対策が見えてくるでしょう。
ここでは、それぞれのサイバー攻撃について詳しく解説します。
クロスサイトスクリプティング
クロスサイトスクリプティング(”XSS”と表記することもあります。)は、Webサイトの脆弱性を利用して記述言語のHTMLに悪質なスクリプトを埋め込むサイバー攻撃のことです。
Webサイトに設置されたフォームにユーザーが情報を入力または送信すると、埋め込まれた悪質なHTMLスクリプトが実行されて、入力情報だけでなく、Cookie情報まで攻撃者に送られてしまいます。ユーザーは個人情報が流出したり、マルウェア感染などの被害に遭ったりする可能性があります。
SQLインジェクション
SQLインジェクションとは、第三者がSQLコマンドを悪用してデータベースの情報に不正アクセスをして情報を搾取・改ざん、またはデータの消去などを行うサイバー攻撃のことです。
ユーザーは個人情報の漏洩によるカードの不正利用などの2次被害を受けたり、マルウェアに感染したりするといった被害を受けます。
メールヘッダインジェクション
メールヘッダインジェクションとは、悪意を持った第三者がWebアプリケーションのメール送信機能をわざと誤作動させて、内容の改ざんをしたり、迷惑メールを送信したりするなどして悪用するサイバー攻撃のことです。
攻撃のターゲットになったWebサイトは迷惑メールの送信元となってしまうため、風評被害を受ける可能性があります。また、メールの件名や本文の改ざんが行われて全く別の内容のメールがユーザーに送信されてしまったり、大人数に迷惑メールが届いたりする被害も考えられます。
クロスサイトリクエストフォージェリ
クロスサイトリクエストフォージェリとは、Webアプリケーションに存在する脆弱性や、その脆弱性を利用したサイバー攻撃のことです。掲示板や問い合わせフォームなどを処理するWebアプリケーションが、拒否すべき他のWebサイトからのリクエストを受信して処理してしまいます。
クロスサイトリクエストフォージェリによる影響や被害の代表例は下記の通りです。
- アンケートフォームへのイタズラの書き込みや不正サイトへの誘導、犯罪予告などの書き込み
- 大量の不正書き込みによるDoS攻撃(1台のコンピュータから対象のWebサイトやサーバーに行うサイバー攻撃のこと)
メールフォームのセキュリティ対策
ここまででメールフォームのセキュリティ対策を行うことの重要性を理解していただけましたか?
それでは次に、メールフォームのセキュリティ対策について具体的に説明します。
下記の4つの対策を行うことが重要かつ効果的です。
- SSL化(通信データの暗号化)の対応
- 保管データ暗号化の対応
- バックアップの取得
- プリケーションやOSのセキュリティ強化
ここではそれぞれのセキュリティ対策のやり方や内容について詳しく解説します。
SSL化(通信データの暗号化)の対応
メールフォームあるいはWebフォームから送信された入力データは、サーバーに保存されるまでの通信経路上で改ざんされたり盗聴されたりする危険性があります。
フォームをSSL化(Secure Socket Layer)することで、このリスクを軽減することが可能です。SSLとはインターネット上で送受信されるデータを暗号化することです。
Webサイト全体をSSL化することを「常時SSL化」と呼びますが、安全性を高めるためにも常時SSL化は必要不可欠なセキュリティ対策であると言えます。
保管データ暗号化の対応
メールフォーム、あるいはWebフォームを利用する際には、膨大な量の個人情報や機密情報を扱うため保管データを暗号化することが必要です。暗号化することで、保管データの元の内容が分からないように変換して保存することになるため、情報漏洩を防ぐことにつながります。
内容が読み取れない状態でデータを保管するため、正しい鍵を使ってデータを元に戻す処理をしないと内容が確認できません。つまり、データベースに不正アクセスして覗き見をしても内容が判別できないということです。
バックアップの取得
上記にもありますが、人的なミスやサーバー側の問題などさまざまなことが原因でデータが消失する可能性があります。
データが消失してしまうと、業務が滞ってしまったり、取引先にデータの管理が不十分であるとネガティブな印象を与えてしまったりと自社への信用問題に関わります。常にデータのバックアップを取得し、問題が発生してもすぐにデータを復旧させられる環境を整えておくことが大切です。
最近はクラウドを利用したバックアップが一般的になりつつあります。
アプリケーションやOSのセキュリティ強化
メールフォームあるいはWebフォームの不十分なセキュリティ対策は情報漏洩や改ざん、またはデータの消失につながることを説明しました。
さまざまなサイバー攻撃がありますが、これらの多くがプログラムのコーディングやシステム設計の不備によるものです。そのため、ありとあらゆるリスクを想定したプログラムの開発やシステムの開発を行うことが求められます。
また、WAF(Web Application Firewall: Webアプリケーションファイアーウォール)や外部からのコードレビュー、そしてIDS (Instruction Detect System: 不正侵入検知システム)/ IPS(Intrusion Prevention System: 不正侵入防止システム)などの対策も効果的です。
メールフォームのスパム対策のポイント
つづいて、メールフォームは大量のBOTなどによる大量スパム登録されるリスクがあるためスパム対策が必要です。下記の5点に気をつけましょう。
- アクセス制限の設定
- 必須項目の設置
- チェックボックスの設置
- ダブルオプトインの導入
- reCAPTCHAの設置
ここではそれぞれのポイントについて詳しく解説します。
アクセス制限の設定
BOTを使ったスパムメールの送信を防ぐためには、アクセスログからスパムメールの送信元になっているIPアドレスやドメインを特定してアクセス制限を設定することが効果的です。
しかし、アクセス制限を設定するためには専門的な知識が必要だったり、確認作業に多くの工数を要したりすることから自社で対応するのが難しいといったデメリットがあります。
時間や労力を省いてアクセス制限を設定するのであれば、機能が豊富にあるフォーム作成ツールを利用することがおすすめです。
必須項目の設置
メールフォームの氏名や電話番号、そしてメールアドレスなどを入力必須の項目にすることでスパム登録がしづらくなるでしょう。
さらに入力後の確認画面を用意することがおすすめです。手間と時間がかかることで、BOTが容易にメールを送れなくなります。
チェックボックスの設置
手動で操作を行うチェックボックスを設置することで、スパムBOTの自動送信プログラムを防ぐことにつながります。
しかし、BOTは日々進化しているため、チェックボックスの設置だけでは心許ないです。他の対策と併用することをおすすめします。
ダブルオプトインの導入
ダブルオプトインとはメールフォームへの情報送信後にユーザー宛に確認メールを送信して、確認メール本文中にある本登録用のURLをクリックすることで正式に登録がされる仕組みのことです。
これにより第三者が勝手に他人のメールアドレスを登録することを防ぐことにつながります。また、それと同時に入力されたメールアドレスが本人のメールアドレスであることを確認することも可能です。
BOTは実在するメールアドレスを使用することが少ないため、ダブルオプトインの導入はスパムメール対策に非常に効果がある対策です。
reCAPTCHAの設置
reCAPTCHAとはGoogle社が提供するフォームの不正利用やスパム対策の認証システムで下記の2種類あります。
- reCAPTCHA v2
- reCAPTCHA v3
「reCAPTCHA v2」は、フォーム内に「私はロボットではありません」と書かれたチェックボックスが設置されており、チェックを入れると数枚の画像が表示されます。その中から指定された条件に合った画像を選ばせることで、スパムBOTかどうかを判別する仕組みです。
それに対して、「reCAPTCHA v3」は「reCAPTCHA v2」とは異なり、画像選択などの操作はなく、ユーザーのWebサイト上での動きを分析してスパムBOTかどうかを判別する仕組みとなっています。
ユーザーの使いやすさを考えると、「reCAPTCHA v3」の方が手間がかからないためおすすめです。
メールフォームにセキュリティ対策・スパム対策を行う方法
最後にメールフォームにセキュリティ対策・スパム対策を行う方法について、下記の3つのプラットフォームに分けて解説します。
- Google フォーム
- WordPress
- フォーム作成ツール
Google フォーム
GoogleフォームはGoogleが提供する無料のフォーム作成ツールで、アンケートや問い合わせなどさまざまな用途で活用することができるため、利用者も多いのではないでしょうか。
Googleフォームではすでに下記のセキュリティ対策が施されています。
- データの転送時や保存される際のデータの暗号化
- 脆弱性の管理や不正なソフトウェアの検出
- Google reCAPTCHAを活用したスパム対策
- ログイン時の2段階認証設定
- 世界中に分散されたデータセンターとデータの保有
Googleはセキュリティに関する国際規格であるISO27001やISO27017などを取得していることから、十分なセキュリティ対策がされていると言えるでしょう。
WordPress
WordPressのプラグインを活用してメールフォームの作成とセキュリティ対策を実施することができます。「Contact Form7」や「MW WP Form」などが代表例です。
WordPressにはフォームを作成するためのプラグインの種類が豊富にあるため、どれを導入すべきか悩ましいですが、セキュリティ対策を考慮する場合は、下記の2点に着目して選ぶようにしましょう。
- 脆弱性に関する報告があるか
- 定期的にアップデートが行われているか
また、WordPress自体への不正アクセスを防いだり、Webサイト全体を暗号化したりするプラグインもあるため、これらを活用することもおすすめです。
フォーム作成ツール
多種多様なメールフォーム作成ツールがあります。セキュリティ対策を重視するのであれば、下記のような対策が講じられているフォームを選ぶようにしましょう。
- 盗聴や改ざん対策のためにSSL暗号化通信に対応している
- メールフォーム作成ツールの信憑性を高めるためのISMS認証を行っている
- 不正アクセス対策のためにサーバーの監視を実施している
これらの項目を満たしているツールであれば、不正アクセスや情報漏洩といったトラブルを未然に防ぐことが可能です。
おすすめのフォーム作成ツールや、フォーム作成ツールを選ぶ際にチェックすべきポイントについて知りたい人はこちらの記事も併せて読んでください。
まとめ
この記事ではメールフォームのセキュリティ対策が不十分であった場合に起こりうるリスクとその影響、サイバー攻撃の種類、メールフォームのセキュリティ対策とスパム対策のチェックポイントについて解説しました。
メールフォームのセキュリティ対策を怠ると、信用の失墜や多額の対応コストの発生など大きな問題に発生するリスクがあることからも、導入する段階でしっかりとセキュリティ対策を施したり、セキュリティ対策がしっかりとされているメールフォームを選択したりすることが大切です。
この記事を参考にしながら、貴社のメールフォームのセキュリティ対策をしっかりと行いましょう。